第35章 平等な優しさ
練習試合後の帰り道
私はテツ君とさつきと帰っていた
桃「最近のムッ君、前にも増して友香ちゃんにベッタリだよねー;;」
『あはは、確かにそうかも。でも、あっ君は可愛いから』
桃「ほんと友香ちゃん、ムッ君に甘いんだから〜っ‼︎」
『そうかな〜? それより今日のあっ君は一段と凄かったね』
黒「はい。おかげで僕はまったく出番がありませんでした」
桃「うん… そうだね…」
黒「けど… 同時に怖くもなりました。彼の成長ぶりを見ていると、青峰君が変わってしまった時のことを思い出します」
(テツ君も私と同じこと思ってる…)
桃「…テツ君は最近青峰君と話した?」
黒「いえ… 最近あまり話さなくなりました… 彼の様子を見るとフラストレーションが溜まっているのは分かります… 何とかしたいと思っているのですが… 正直今の僕は分かりません…」
桃「…友香ちゃんは青峰君とどう?」
『部活終わりとか話してるけど… ギリギリって感じかな… 白金監督のフォローがあるから何とかなってるんだと思う…』
桃「……そっか」
『さつき……?』
桃「みんな… ずっと一緒だよね…? 皆バスケットが大好きで… これからもずっと…仲良く一緒にやっていけるよね…⁉︎」
黒「……はい。ずっと…一緒です」
『…………。』
そう言ったテツ君の顔は、全然本心を言ってるような顔には見えなかった
(皆がバラバラになっていくなんて嫌だよ…)