第35章 平等な優しさ
青峰side
去年の全中のとき監督にあー言われてから俺はサボるのを辞め、毎日練習には行くようになった
(あー、つまんねー。どいつもこいつもアッサリ抜かれやがってよー)
俺はフラストレーションが溜まっていく一方だった
それでもモチベーションを保てたのは、監督と友香のおかげだと思う
練習試合の後
(最近紫原の奴も調子良いみてーだな…)
俺がこんなことを思っていると
『大輝ーっ、お疲れ様‼︎ はい、タオルとドリンク』
「おー、サンキュ」
『まーた怖い顔してるよーっ‼︎』
「ブッ」
こいつは両手で俺の頬を潰した
『プッ、変な顔〜♪』
俺はこいつの手を払いのけて
「なにすんだよ、テメェ‼︎」
『大輝があまりにもつまらなさそーな顔してるからだよ〜』
「仕方ねーだろ」
『ん、そうかもしんないね。でも私大輝のプレイ見るの好きなんだ〜‼︎ 見ててスカッとするから‼︎ あ〜、でも負けるとこも見たいかも』
なんて言いながら可愛い顔してペロッと舌を出してくる
「俺が負ける訳ねーだろ」
「『俺に勝てるのは俺だけだ』」
2人でハモってしまった
『はいはい、もうそれ聞き飽きましたーっ』
「はっ、お前はずーっと俺の勝ってる姿見ときゃ良いんだよ」
『ん。じゃあ、ずーっと大輝のこと見てる』ニコ
「おぉー」
部活終わりや試合終わり、必ずこーやって俺の元に来てこんな感じで言い合う
それだけでいくらか気分がマシになった
(俺はお前が笑って見ててくれたらそれで良い)
そう思えるぐらい、俺にとってこいつはそんだけ存在がでかくなっていた