第29章 修ちゃんの卒業
だいぶ暖かくなってきて、気づけばもう3月
今日は3年生の卒業式が行われた
帝光中バスケ部元主将虹村修造も卒業生の1人である
虹村side
俺は卒業式を終え、友達や後輩との挨拶も済ませ、ただ何となく体育館裏へ来ていた
(あの緑間や黒子達がわざわざ挨拶に来てくれるとはな…… 俺も良い後輩持ったもんだぜ←)
挨拶にきた緑間や黒子達を卒業証書の入った筒でぽかぽか殴ったのはつい先ほどのことだ
今は本当にただ何となくこの体育館裏でボーッとしている
(今日で日本も最後か………)
親父の病気に詳しい名医がロサンゼルスにいるらしく、俺たちは家族総出で渡米することになった
親父と弟と妹はすでに12月に渡米していて、俺は卒業してから追いかける形になっていた
俺としては学年途中の渡米でもかまわないと思っていたが、親父が頑として譲らなかった
【お前は中学を卒業してから、来い】
親父は俺が親父のために何かを犠牲にすることを拒んだ
学校も部活もいつも通りにしろ、それが1番の望みだ、と
せっかくできたチームメイトと一緒にちゃんと中学を卒業しろ、と
最初は納得できなかったが、今では親父に感謝してる
確かにチームメイトとこの学校で卒業できて良かったと思う
(思い残すことはもう何もない…… 強いて言うなら、結局あいつに何も伝えなかったことぐらいか? ……だがその方が良かったのかもしれねぇな……)
俺は1人でそんなことを考えていた