第5章 天使 ヘルの憂鬱
『ハァ•••』
窓から爽やかな風が部屋に流れる春の日。俺が久しぶりに召喚した天使のヘルが長いため息をついた。
『どうしたんだ?ヘル。』
俺がヘルに尋ねるとヘルは俺の顔の前まで飛んで来て俺にいった。
『実は最近ヘルマン様がアーダルベルト様と性交をしすぎていると私は思っているのです。ヘルマン様がアーダルベルト様と性交をなさるとこちらもアーダルベルトの悪魔、アーダルと性交をしなくてはならなくて•••』
『•••••••••』
俺は黙るしかなかった。確かに最近アーダルベルトと性交しすぎてはいる。しかしそれはこちらの意思ではなく無理やり犯されているのだ。
『確かにヘルマン様が好きであんなに性交をしているとは言いません。無理やり犯されているのでしょう?』
俺は心で思ったことに対して返事をしたヘルに心底驚いた。
『心がよめるのか?おまえ•••』
俺が質問するとヘルはフフッと笑った。
『天使なら当たり前です。』
まぁ、冷静に考えれば天使ならできなくもないか•••。
そしてまたヘルは真顔に戻り話を戻した。
『ヘルマン様がつらいのはよくわかります。私だってヘルマン様が犯されている時、悪魔のアーダルに強引に犯されているんですから。』
天使が悪魔に犯される•••
いったいヘルのところの神様は何をしているのだろうか?ヘルもかわいそうに•••
『ふぅ•••••まぁこれで悩みも打ち明けられたので天界に帰ります。•••••あっ、今日この後アーダルベルト様がヘルマン様を犯しにやって来ます。気をつけてください。』
俺は天界に帰っていくヘルを見送りながら恐怖に怯えていた。つい昨日ヤったばかりなのに今日もヤるとは•••
性欲の強い奴だ。
•••••ガチャ•••••
突然ドアの方から音が響いた。音の主はドアを静かに閉めた後、床をギシギシと音を上げてゆっくりと俺に近づいてきていた。そして後ろから片手で口を塞ぎもう一つの片手で軍服を脱がしはじめる。
白手袋と白い軍服を着たそいつはヘルがいっていたとおりアーダルベルトだった。アーダルベルトの目は赤く光り獲物を見つけた獣のようだった。
『••••••ぁー•••んー•••』(誰か助けろ)
無駄だと思っても叫んでしまう。アーダルベルトはそんな俺に対してニヤリとわらい、ベットへ俺を連れこんだ。
どうなったかは言うまでもない•••