第2章 東京都立音駒高校排球部
「しゅっしょーぉ!」
「ん?どうした。」
「朱莉が帰らないっていうんですーっ」
同じ1年の秋乃は私の肩に腕を回して、戸草さんの前に突き出す。
「違う。」
「何が違う!」
「男子バレー部待ってる。って言った」
「あぁ、成る程。わかった。」
戸草さんは分かってくれたようだ。
私は鉄朗に待ってろと言われたから…っていうのもあるけど、一緒に帰りたい気持ちもあった。
「三旗〜彼氏とか羨ましすぎるぞぉ〜」
「弥生さん、勘違い。」
「くっそ!あいつだろ!!黒髪のトサカみたいな!!けど、イケメンだからなー…くそ!!腹立つ!!!!」
「あれ、寝癖ですよ。」
「マジかっ」
天野さんは何時ものこと、テンションが高い。
「じゃあな三旗。気を付けて帰れよ。」
「私の朱莉たんまた明日ねー!」
「では…秋乃ちゃんうざい。」
「ひどい!!!!」
私は先輩方+…いないか。
見送ったあと、別の体育館に移動した。