第3章 もう
早いな…。
もう私達は3年生。研磨は2年生となった。
5月のゴールデンウィークは、合宿。それと、練習試合がある。
男子バレー部が宮城で練習試合となったため、私達女子バレー部も男子と同じ学校の女子バレー部で、練習試合となった。
男子は烏野高校というところとは因縁の相手らしい。
東京から宮城まで結構な距離があるというのに、猫又監督と仲の良かった向こうの監督とで、何度も練習試合を繰り返したらしい。
女子には関係のないことだけど。
戸草さんや弥生さん。天野さん達がいなくなった今。この女子バレー部の部長は秋乃ちゃん。副部長が私ということになった。
「しっかり、主将なんだから。」
「うっ、マジそういうのやめてマイ朱莉たん。」
「“たん”辞めたらね。」
秋乃のおかげで、後輩までも「朱莉たん先輩!」などわけのわからないことを言ってくるのだから。しかっときましたが。
「よーし!女子揃ったー?」
「揃いました!」
「んじゃ、宮城へごーだじぇーい!」
「新幹線、後30分。」
私が時計を見ながら言う
「もうっ!ノッて!ややちゃんはノッてくれるよ!!!」
「宮城へゴー!っす!!」
「走っていけ」
ややちゃんとは、二川 やや(ふたかわ やや)。2年生でミドルブロッカー。
「朱莉、少し優しくしてあげたら?」
この子は五日 紬(いつか つむぎ)ちゃん。3年、ミドルブロッカー。
「…これ、普通。」
「いや、五日さん。ややは少し厳しくすべきです。何やらかすかわかりません。」
琴 麗華(こと れいか)。2年、セッター。
「秋乃も。」
「んー…そうかな…」
「お腹減った。」
「減った。」
この子らは七海 かな・かお(ななみ かな・かお)双子の1年生。ウイングスパイカー。
「朝飯食え」
「食った。」
「た。」
先輩にもタメ口の二人。まぁ、敬語教えたところで「腹減った。です。」「食った。です。」と言う感じになるのは目に見えている。