第3章 strategie③
ずるいやり方ということは分かっている。
彼女にも立場というものがあって、いろいろな思いから板挟みになっているに違いない。
しかしそんな彼女の状態を思いやって引ける程、余裕がなかった。
どんな形だって良い。
ヒロカの心を全部もって行きたい。
ヒロカの全てを俺で埋め尽くしたい。
そう思って行動することは悪いことなんだろうか?
いけないことなんだろか?
こんなに俺をめちゃくちゃにしてくれた彼女に怒りと感謝の気持ちでいっぱいだった。
ごめんな。
許してな。
俺はそう思いながら、携帯の録音停止ボタンを押した。