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【東京喰種】蝶と蜘蛛

第2章 zero


でも、その生活にもやっぱり限度があるみたいで。


私が7歳になった年の冬。
父は"人間ごっこ"の生活に耐えきれなくなり、人間をいっぱい狩った。

血まみれで、目が赤くて、
そんな姿で帰ってきた父をみて、私は衝撃を受けた。

それと同時に、初めて大量の人間の血の匂いを嗅いでその美味しそうな匂いに興奮を覚えた。


でも
父のその行動が、私の運命を変えた


未来を変えた


「何だが喰種の匂いがすると思ったんだよな。」

そういう声が家の外で聞こえたと同時に、家の扉が蹴破られた。

父についていた人間の血が、たまたま周辺にいた喰種捜査官に嗅ぎ分けられたのだ。

「あ...あなた‼︎」

「俺のせいだ...すまない。本当にすまない...。俺が我慢してればッ‼︎
...俺が戦っている間に2人は逃げろ‼︎」


「いたいた〜。こんな所に汚ったない喰種の親子が。やっちまおうぜ。」


相手は4人だった。
父だけでは太刀打ちできない相手の数。

しかも
母は7年間も喰種としての能力を使ってない上に、人間の食事と、少しの人間の肉しか食べていない

逃げたとしてもすぐ捕まる。
それを母は知っていた。

「あなた...私も戦うわ。」

「胡蝶がいるだろ‼︎お前は胡蝶と逃げろ‼︎」

「あなたは相変わらず馬鹿ね。4人も1人で相手ができないわ。
すぐに死んでしまう

そして逃げ切れなかった私と胡蝶がまた死ぬだけ。それなら、私達で時間を稼いで胡蝶を逃がせましょう。

それに、生きてる時も死んでからも私達は一緒のはずでしょう?」

「...そう、だな。胡蝶に、俺らの分まで生きてもらう方がいいな。」

「さっきから何だ?喰種どうしの愛ってか⁉︎きったねぇなぁ。人間のふりしてないでとっとと失せろ‼︎」

その一言で、戦いが始まった。
父は尾赫。母は羽赫。

私も初めて見た喰種の本性。

「や...だ‼︎胡蝶も戦うッ‼︎」

「ユキ‼︎俺が止めてる間に胡蝶を外へ連れて行け‼︎そして走らせろ‼︎」

「わかったわ‼︎」

母は私を抱えると、窓から外へ飛び出し肩に手を置き こう言った。
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