第2章 zero
「いい?胡蝶。よく聞くのよ、このままではママもパパも胡蝶も死んじゃう。
それなら、まだまだ未来のあるあなたに、生きてもらいたいの。
だから最後のお願い。
ママとパパの分まで生きて ‼︎ 胡蝶...さぁ行くのよ。」
「やだ‼︎そんなお願いきかない‼︎胡蝶も一緒に「行きなさいッッ‼︎‼︎」
私は母の威厳のある声に負けた。
涙をぐっと堪えて母の目をしっかり見ると、背を向け走った。走っている時に後ろを少し振り返ると、母が喰種捜査官と戦っていた。
その後どうなるかなんて事は、あの頃の私でもわかったため、後ろを振り向くのをやめ前を向きひたすら走った。
隠れれる場所を
なるべく家から離れた場所を
追いかけられないように、草が生い茂った場所などを走った。
そして見つけた
隠れれる場所を
家からはかなり離れてると思うし、人気のない廃墟だった。
そこで私は息を落ち着かせると、恐怖と悲しみと絶望感に襲われひっそり泣いた。