第5章 three
女の喰種が挑発的な発言をしたから、俺は一歩前に出る。
「真戸さん、ここは俺に任せてください。」
「いいだろう。ここは任せるから、私は少し違う場所の喰種を始末しに行ってくるよ。」
「はい。後で俺も向かいます。」
その返事を聞くと、真戸さんは去って行った。
俺がクインケを出すと同時に、あちらも羽赫をだす。
(何故だか、こいつには興味が湧く...)
今まで喰種に興味など湧くことはなかったが、普通の喰種と違うものを感じる。
だが、ここで殺す。
こいつは俺の手で...
そしてクインケを持つ手に力をいれ、思いっきり振った。
動きは早いが、そこら辺にいる少し強い喰種と同じぐらいだ。
それと...戦い慣れていなさそうな感じだな...
「はぁぁっッ‼︎」
そしてもう一振りいれると、相手の足に少しかすった。
その瞬間、あちらは少し距離を取る。
「なんだ⁉︎そんなものか⁉︎」
もう少し強い気がしていた俺が馬鹿だったのか...
思っていたより、あまり手応えがない。