第5章 three
亜門side.
「前方に喰種がいます。」
「ふーん...あの仮面は見たことがないね。」
確かにあの仮面は見たことのない仮面だ アラビアマスクで目は覆われてはいないものの、蝶の模様が入っているため、鼻と口は見えない。
スーツを着ていて、髪はロングの女の喰種。
「おやおやぁ...見ない顔の喰種だな。亜門君は見たことあるかね?」
「いや、私もこの喰種は見たことありません。」
ジリジリと距離をつめていき、5mぐらいの幅を取ると真戸さんは足を止めた。
「君は初めて見る顔だねぇ。小汚い。ずっと前に立っていられると邪魔なんだが...退いてもらえないかね?」
女の喰種は真戸さんの低い声に恐れる事なく、少し眉間に皺をよせると口を開いた。
「じゃあ、試させて?」