第5章 three
けど、その考えにはもう疲れた。
いないんだよ、お母さんとお父さんは
もう死んだんだ。
まだ希望を持っているようなら、捨てろ。
死者は生き返らない。
アオギリの樹に入ってすべてをちゃんと捨てたはずだったのに。
まだ微かにのこっていた、嘘の人間性も
弱い喰種の心も。
お母さん達の温もりを感じたい自分がまだ何処かにいる
喰種として生きていれば、死んでいなかったのかもしれないのに。
馬鹿
大っ嫌い
お父さんもお母さんも
今日で本当に終わり。
ちゃんと捨てる...
だから、最後にあの場所を訪れよう。
昔、お父さんとお母さんと過ごしていた場所で