第4章 two
食べ終わったと同時に、手を合わせた。
「ご馳走様でした。」
人間は嫌いだけど、殺すのはあんまり好きではない。
ただ食べるために殺すだけで。
みんな生きたいだけなのに、何故こんな事になってしまったんだろう。
あぁ、だめ。
こんなの考え出したら自分ではなくなっちゃう。
そう思い、その場から踵を返しいつもの場所へとむかった。
歩き始めて少ししてから、私は足を止めた。
だれか、見てる...
背中に誰かの視線を感じたんだ。
人間ではない、喰種だと思う。
「誰かいるなら出てきて。」
落ち着いた声で言うと後ろを向いた。
「ばれてたのかよ。」
黒髪で漆黒の目をし、身長はそれほど高くなく、私と同じ年ぐらいの男が立っていた。
見たことのない顔だ。
「...何のよう?」
「いや、お前おもしろい殺し方するなと思ってな。気になるからついてきただけだ。」
少しニヤリと笑いながら男は言った。
「そう...。それだけなら早くどこかへ行ってくれない?」
「んだよ、おもんねぇぞ。俺の相手しろよ」
男の目がぎらっとひかり、私のことを睨む。