第4章 birthday
3時間経ち…お二人が戻ってきたところで昼食を取ることになった
『えー…フランシス様はキジ10羽、キツネ2匹、ウサギ3羽の計15匹。坊っちゃんはキジ11羽、キツネ3匹、ウサギ1羽計15匹…同点引き分け、ということでよろしいですか?』
フ「気にくわん!私ははっきりしないのは好きじゃない」
シ「奇遇ですね叔母様。僕も同じ意見です」
バチっと坊っちゃんとフランシス様の間に火花が散った
セ「では、勝敗は午後の部で…という事で」
シ「いいだろう」 フ「問題ない」
…本当に負けず嫌いですね…お二人とも…
フ「しかし狩場を荒らしすぎたな。午後は場所を変える」
セ「ああ…大丈夫ですよ侯爵夫人。まだまだ大物が隠れております」
エ「じゃあルールも決まったことだし食べましょう。すっごくいい匂い…」
急にエリザベス様の横に大きな影が現れた
その影に目をやると…そこにいたのは腹をすかせた大きな熊だった
エ「え?きゃあああっ」
坊っちゃんがエリザベス様を庇いに入り、私は袖口から警棒を出し降り下ろされた熊の前足を弾いた
ダァンッ…私が弾いたのと同時に鳴り響いた銃声…
銃を発砲したのはフランシス様だった
シ「叔母様…っ…16-15。どうやらゲームは僕の負けのようです。叔母様」
フ「私に勝つなど10年早い…だが、その身を挺して我が娘を守った度胸だけは誉めてやる。そして恩にきる」
フランシス様は坊っちゃんに頭を下げた
フ「流石は羽が息子になる男だ。シエル・ファントムハイヴ卿。さあゲームは終わりだ。帰るぞ」
私とセバスチャンは昼食の後片付けをし、仕留めた熊の四肢を太めの木の幹に縛り付けセバスチャンが肩に担ぎ森を後にした