第4章 birthday
帰り道
前を行くフランシス様が隣にいたセバスチャンにシルバーを渡したのを見た
やはりあの熊を倒したのはセバスチャンだったか…
少し武術ができるだけの私にあの熊の前足を弾くことなどどう頑張っても無理なのだ
が、私達執事の役目としては主人に華を持たせるのが普通…
二人の話は聞こえないがだいたい内容はわかる…
いくら当主でも坊っちゃんはまだ子供…こんな私も坊っちゃんと2つしか離れていない…
それに加え坊っちゃんはかなり傲慢な部分がある
この腐った世界で生き延びている大人達と渡り歩く…いえ、上へ行くには謙虚な姿勢も持たなくてはいけない
それを戒めるための大人が回りにはいない
8つ離れた私の兄は人との関わりを持とうともしない…
だから
セバスチャンはフランシス様にそれを託した…
本当にどこまで執事の美学を追及するつもりなのか…