第4章 birthday
あれから大きな事件もなく季節は巡り今は12月
特にこの月は特別なことがある。それは――
セ「――坊っちゃん…朝ですよ。坊っちゃん」
坊っちゃんを起こそうとしたセバスチャンにひどく何かに怯えるかのように坊っちゃんは銃口を向けた
シ「僕に…っ触るなっ…」
セバスチャンは何事もなかったように紅茶の準備を始めた
セ「本日のアーリーモーニングティーはアッサムをたっぷりのミルクで淹れたミルクティーをご用意致しました。ミルクにはリラックス効果がございます。落ち着かれますよ。特に悪い夢の後などは…」
坊っちゃんは脱力したようにセバスチャンからカップを受け取った
私はベッドの枕元に置いてあった一冊の本を見つけた
『お休み前にポーなどお読みになるからですよ』
シ「僕の勝手だ。今日の予定は?」
セ「本日は本社から届いた書類のチェックを、午後はマーショネス・オブ・ミッドフォードとレディエリザベス様がお見えになります」
シ「しまった!!支度しろ早く!」
『そんなに慌てて支度なさらずとも夫人は午後から………あ…』
シ「わかっているだろう?!ネイラ!“あの”フランシス叔母様だぞ!!」