第3章 red sickle
シ「お前の仕事だからだ。お前が死んでも僕を守ると思ったから撃たなかった。おまえと僕の契約は“僕が目的を果たすまで僕の力となり”“僕を殺さず守り抜くこと”僕があそこで死んでしまっては契約違反だ。命令に従うことが悪魔の美学だと言うのなら、お前は死んでも僕を助けに来るはずだ。おまえにはネイラと違って“信念”や“忠誠”などありはしないだろう?あるのは“美学”のみ。ならば“己の美学のために”お前は僕を守る。だから僕はわざわざ手を下さずとも黙っていればお前がマダムを殺してた。違うのか?」
セ「では何故…止められたのです?」
シ「マダムは表の世界を裏の力で汚した。ならばしかるべき場所に出て裁かれるのが道理。ヤードのメンツを立ててやるのも僕の役目だからな…。僕を殺そうとしたマダムの目には迷いがあった。マダムにはシエルを…肉親を殺すことはできない。そう思ったんだ。一瞬でも迷えば命取りになる。チェスと一緒だ。彼女は迷い、次の一手を見失った。それだけのことだから僕は迷わない」
そう言い坊っちゃんは私達の横を通り過ぎた
坊っちゃんの本当の真意ではたぶんなかった…
でも聞けてよかった…