第3章 red sickle
あれから2日がたった
昨日の早朝マダムの遺体が見つかり、ヤードの上層部に坊っちゃんが話を通しておいたためこんなにも速く遺体を返してもらうことができ、マダムはジャック・ザ・リッパーの仕業と片付けられた
そして今日
マダムの葬式が執り行われる
教会には病院の関係者、マダムの元患者、親族が集まった
たぶん…お兄様も…
エ「アン叔母さま…」
私達は少し遅れて教会に入った
入ったとたん参列者の視線は一気に坊っちゃんに注がれた
それもそのはずだ…
坊っちゃんの胸には真っ赤な薔薇、そして真っ赤なドレスを持って来たのだから…
エ「シエル…!」
坊っちゃんへ注がれる冷ややかな視線を無視し坊っちゃんはマダムの眠る棺まで歩いて行った
マダムに真っ赤なドレスをかけ、胸元の薔薇をマダムの髪にさした
シ「―――貴方には白い花も地味な服も似合わないよ。貴方に似合うのは情熱の赤、地に燃えるリコリスの色だ。“アン叔母さん”」
坊っちゃんがそう言うのと同時にいきなり真っ赤な薔薇の花弁が降ってきた
シ「―――おやすみ…マダム・レッド」