第3章 red sickle
マ「…あんたには…裏社会の番犬以外にも生きていく道があったはずだわ。きっと姉さん…あんたの母さんもそう望んでたハズ。それなのにこのせかいに戻って来たのはやっぱり…殺された姉さん達の仇を討とうとしているからなの?」
ピクッと反応してしまったのは私の方だった
仇をとりたいのは…私だ…
マ「きっとそんなこと姉さん達も…私やリジーだって望んでないわ」
シ「僕は仇を討とうと思ったことなど一度もない。仇を討ったとして死人が蘇るわけでも、ましてや喜ぶわけでもない。仇討ちだ弔い合戦だと綺麗事を言ったとしてもそれは所詮生き残った人間のエゴに他ならないし、ようは気晴らしだろう?…僕は先代達のためにファントムハイヴに戻って来た訳じゃない。僕のためだ。ファントムハイヴを裏切り穢した人間に僕と同じ屈辱を…痛みを味わせてやりたいだけだ」
坊っちゃんの言うことは理解してる…
でも
私は私を救ってくれた旦那様を奥様を
救うことができなかった
シ「チェックメイト」