第3章 red sickle
マ「ったく…ホントあんたんトコの執事達は有能っていうか働き者っていうか…」
シ「別に?それ程でもない」
マ「あんだけ有能なら子爵邸の調査にしてもネイラはまだしも、全部セバスチャンに任せておけばいいのに」
シ「“あれ”は僕の“力”そして“手足”だ。セバスチャンは言うなれば“駒”に過ぎない。その“駒”を動かすのは“僕”でなくてはならないし、“自動で動く駒”で相手に勝ったとしてもそれは“僕”の功績になりはしないだろう。いつでも命令を出すのは僕で、命令がない限り動かないよう躾てある。だが、セバスチャンがこの“ナイト”と違うのは…全てのマスに一手で動ける“ナイト”と言ったどころか。こんな風に」
コンと自分のナイトでマダム・レッドのキングを倒した
マ「あっそんなの反則じゃないの」
シ「そうだ。それが“ゲーム”ならな。だが、この世界はルールに従わなくては勝てないチェスの様には出来ていない。必ず反則をする騎手も、裏切る駒も出て来る。そういうものと対等にゲームをしようと思ったら僕も反則をしなくては勝てないだろう?僕らの生きるチェスボードの上では油断をすればすぐにチェックメイトだ」