第7章 Secret Circus
コートと帽子を身に付け外出の準備を整え玄関ホールへ下りた。
すると案の定坊っちゃんのお体を自分のことのように心配なさってたあの方が立ちはだかった。
「シエル!また出かけようとしてるな?!そんなんじゃ治るモンも治らん「昨日、」」
「お前が寝ずに看病してくれたんだってな」
ソーマ様の言葉を突然坊っちゃんが遮ったためにソーマ様は面食らったような顔をした。
「えっああ」
「お前のおかげですごく良くなった。ありがとう」
坊っちゃんはソーマ様にまさに天使のような微笑みと共に感謝を述べた。
あの坊っちゃんがソーマ様のような方にそな簡単に感謝等述べるとは思えませんが。
「そーかあ!!俺のおかげか!やっぱり看病の仕方がいいと治りが違うんだな!」
「ああ、そんなワケで元気な僕はもう行く。じゃあな」
私達は気をよくしたソーマ様の横をさっさと通り抜け、後からソーマ様の声が響いていた。
外に出るとセバスチャンは坊っちゃんを抱き抱えた。
「ネイラ、あいつを喚べ」
坊っちゃんがあいつと呼ぶ私と契約した悪魔、あれを使うのは私として本意ではないがことがことだ。致し方ないと悪魔の名を呼んだ。
「…リオン…」
私の足下に広がる影が濃くなり形を作っていく。
「はぁあ…なんだ揃いも揃って。オレに用かぁ?」
欠伸を噛み殺すでもなくいかにも面倒だというのを隠そうともせず現れた。
「リオン、私を運んで下さい」
「そいつらと同じ場所にか?」
「はい」
「…へいへい姫サマのお望みのままに、っと」
リオンはそう言うと私の膝を掬い上げ横抱きにした。
「では行きますよ」
セバスチャンと坊っちゃんが視界から消えたと思えば浮遊感を感じた。
「舌噛まねえように口閉じてしがみついてろっ…」
指示に従うのは癪だがここは従った方が良さそうだ。
一時間もすれば男爵邸に到着するだろう。
決着はもうすぐだ。