第7章 Secret Circus
「ネイラ!今日は昨日言っていた、特別ルールなるものを教えてくれ!」
朝食を取り片付けもそこそこにソーマ様がそう言ってきた。
「後は私がいたしますので、王子をお願いします」
アグニさんに笑顔で言われ、ソーマ様を連れてソーマ様の部屋へ向かった。
「良いですか?ソーマ様。このまだ駒を一つも動かしていないときにだけ使えるルールです。このように、ルークとキングの位置を代えることができます。これは左右どちらも、です」
「おお!…で、何が違うのだ?」
「これによりキングの守りが強くなり、ルークを早めに中に出すことができます。そのため有利に進めることができます」
「!そうか!よし、これでシエルをギャフンと言わせてやるぞ!しかし、シエル達はどこに行ってしまったのだ?」
…まあ、これだけでは坊っちゃんには勝てませんが…。
坊っちゃん…。お体にお障りしなければ良いのですが…。
かれこれソーマ様のお相手をすること数時間。昼食も取りながらチェスをして、精神年齢が低い…実年齢よりも若いのに対し、思っていたより学習能力が高いことがわかった。
そして陽が傾き始めた頃、待ち焦がれた方がお帰りになった。