第7章 Secret Circus
アグニさん自慢のカリーにその他のインド料理が食卓に並ぶ。
心なしか普段より豪勢のような気がする。
「どうだったんだ?アグニと」
席についたソーマ様にそう問いかけられ、私は頬を緩めてみせた。
「ソーマ様のおかげでございます。ありがとうございました」
「うむ。仲が良いのは良いことだ」
ソーマ様も太陽のような笑顔を向けてくれた。
本当にこのお二人は能天気…場を和ませてくれるというか、そういった資質を持っているとしか思えない。
こういった方が坊っちゃんのご友人で本当に良かった。
後片付けをしているとアグニさんに話しかけられた。
「ネイラ殿、いくら今までやっていたからといって何でもご自身でやろうとはしないでください。私がお力になります」
その言葉は決して私を馬鹿にしたり、女であることを卑下にしているのではないと目と声色で理解できた。
ただ単純に、私を心配しているのだと。
「ありがとうございます。アグニさん。貴方に力になって頂けるのなら、何も怖いものなんてありませんね」
私と坊っちゃんの友人達はどうしても我々の緊張感を奪うらしい。
それが心地いいと思ってしまう私も大概ですけどね。