第7章 Secret Circus
テントの中が笑いで包まれる。
すると、ジョーカーが咳払いし進行を始める。
「当サーカスには皆サンを楽しませるショーが目じろ押しどすえ。さぁさぁ、そんなら火吹き男のドハデな一発で、世紀のショーの幕開けどすえ~」
そして男性が口から火を吹き、空中ブランコ、ナイフ投げと続いた。
初めての経験がためか、私はそのサーカスに見入っていた。
けれど、坊っちゃんとセバスチャンの声で現実に引き戻された。
「演目も特に特別なものはないな…」
「ええ、例の子供達が出演させられている様子もありませんしね」
子供達…まだ生きている可能性のある彼らは何処にいるのだろうか。
「そしてお次は―我がサーカスのお姫さんによる決死の綱渡り。今度は世にも珍しい蛇と人間のハーフ。蛇男による華麗なる演舞!」
「子供達を見せ物にすることが目的でないなら、サーカスの移動と子供達の失踪はただの偶然なのでしょうか?」
「……これだけでは何とも言えんな」
「そして最後は!サーカスの花形、猛獣使いのお出ましどすえ。このショーにはお客はんも参加してもらいたいんどすが…」
「最後のショーにも子供達は関係なしか。どうやら観劇は時間の無駄だったな」
坊っちゃんがそう言うのと同時にセバスチャンは立ち上がった。
「セバスチャン?どうか…」
私がどうかしたのか、と問う前にステージに立ったジョーカーの声で遮られてしまった。
「えろうヤル気満々の燕尾服のあんさん!!どーぞ壇上へ!」