第5章 幸せって?
セリシアSIDE
「彼女は、もっと自由な暮らしを望むのではないでしょうか?」
「自由な暮らし?」
「ええ。仕事に追われず、好きな人と一緒に入れる自由。もちろん、恋人としてね。あなたは、叶えてあげられますか?」
残念ながら、今現在は無理だ。
副政務官である以上、仕事には追われる。
役職を外せばいい話ではあるけど、簡単にはいかないことも多い。
それに、恋人らしく、なんて言われても政務中にすることではないし・・・。
「・・・彼女の幸せを一番に考えてこそ、本当に好きな人にすることではありませんか?・・・僕なら、叶えてあげられます。そりゃあ仕事はありますけど、堂々と恋人らしくできますし、自由に暮らさせてあげられます。」
幸せ、か・・・。
別れたくはない。
だけど、勝手すぎたのだろうか?
「・・・彼女、私には彼氏がいるからだめと、僕に言いました。それはつまり、彼氏がいなかったらよかったということだと思いません?」
そういえば、確かに彼女はそう答えていましたね…。
そういう、ことだったのでしょうか・・・・?