第5章 幸せって?
ジャーファルSIDE
「多分、彼女優しいから断れなかったんでしょうね。どっちから告ったのか知りませんけど、多分心変わりしても言えないんでしょうね。」
心変わりって・・・。
「彼女はまだ16歳ですけど、自分が幸せになるならどうすべきかわかるはずですよね。・・・彼女の幸せのため、手を引いてくれませんか?」
嫌だ、そう思うのは勝手なのだろうか?
自分のわがままで彼女を不幸にさせるわけにはいかない・・・。
それに、政務官ではあるけど私は戦闘員の一人。
いつ死ぬかなんてわかったもんじゃない。
・・・でも彼は。
ウィリランデの王となり、安全な位につける。
王妃になれば、セリシアもだ・・・。
「・・・考えてもらって、構いません。でも、彼女のためにも、早い方がいいと思いますよ。」
考えろって。
自分勝手で幸せになれない道を選ばせるなんて、できない。
答えは、出てしまった。
だけど、選びたくなくて、目をそむけてしまった。
「・・・そうですね・・・。」
「・・・もう、大丈夫です。話はそれだけでしたので。」
そういって彼は部屋を出た。
・・・幸せなんて、ちゃんと考えたこと、なかった・・・。