第5章 幸せって?
セリシアSIDE
本当にどうしよう。
ヤム姉はいつもより早く切り上げた。
迷惑かけちゃったかな、やっぱ。
理由は話してくれなかったけど、予想ぐらい簡単にできる。
「あ~~~~~~!!」
自分の部屋、自分のベッドに倒れこむ。
「はあ・・・。」
故郷には、キユノ王国には帰りたい。
もう一度帰ることができたらって思ったことぐらい、何度だってある。
特に旅の最初の方は、よく思った。
すぐに考えは振り切ったけどさ。
・・・だけど。
シンドリアを離れて、ジャーファルと、みんなと会えなくなるのは嫌だ。
わがままなのはわかってるけど、どうしようもない。
故郷には帰りたい。
だけど、帰ったらジャーファルとはきっと2度と会えない。
ジャーファルだけじゃなくって、この国のみんなと、二度と。
それも嫌だ…。
『セリシア殿がしたいのは、何?』
背後から、急に聞こえた。
この声って。
「シロナ!?」