第5章 幸せって?
セリシアSIDE
「・・・セリシア、まじめにやる気あんのか?」
お昼を食べたあと、今日からは剣技だったのだけど、師匠にぼこぼこにされた。
「集中できてない。やる意味ねえぞおい。」
「すいません・・・。」
キユノ王国に帰れる日が来るなんて、考えなかった。
正確には、一度だけ、国が無くなったばかりの時に考えたことはある。
だけど悲しくなって、2度と考えないようにしていたんだ。
だから、帰るかどうかで動揺してしまっているのだろう。
「ったく。何考えてんのかは知らねえけど、それすら忘れさせてやる。次まじめにやらなかったらお前に待ってるのは死だからな。」
そう言って剣技続行。
ホントに殺されそうな勢い・・・。
「うおっ。」
これはダメだ、考える余裕なんてねえ。
つーか死ぬ!!!
「そうだそうだ!でも甘い!」
シャッ
間一髪、かわしたけどかぶってた帽子が切れる音がした。