• テキストサイズ

【マギ】幸せを願って。~亡国の姫~

第5章 幸せって?


ジャーファルSIDE


話は、聞いてしまった。
ドアは開けっぱなしで廊下で会話してたから、よく聞こえた。
盗み聞きは悪いかなと思ったけど、普通に聞こえてきた。

「・・・帰る・・・。」

自分は、今日まで何を考えていたのだろう?
過去に侵略してしまった国の現状とこれから先の提案は、すでにされていて知っていたし、その中にキユノ王国の話も少しだが入っていた。
その時は特に考えていなかったけれど…。

「ジャーファル、話し終わりました。・・・この後、どうしますか?」

「ああ、それならもうお昼に行ってください。私もあと少しです。」

「なら、待ってます。」

今までは無邪気な笑顔で待っていたけれど、今は張りつめたように、何かを考え込んでいた。
セリシアはキユノ王国に帰ることができる。
復興された今、故郷に帰ることができるようになったのだ。
ウィリランデからの申し出でもあるから、王族として追われることもない。
安全で、ここよりはるかに贅沢に暮らしていける可能性がある。
それなのに、この国に残るか?
・・・答えはきっと、否。
仕事に追われる日々より楽したいはず。
そうか、ウィリランデの王妃になる選択肢もあるのか。
・・・なんにせよ、決めるのはすべて彼女。
そしてきっと、この国に残る確率は、0に等しい。
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp