第5章 幸せって?
ジャーファルSIDE
やってる。
昼食後、一戦すると言っていたっけ。
副政務官の自覚をもっているのだろうか?
持ってないだろうな、きっと・・・。
そのことで、ケンカとは言えないけど、空気は悪い。
「全く・・・。」
だけどそう思う反面、悪かったかな、という気持ちもしてしまう。
副政務官にならないかと持ちかけたのは自分だ。
セリシアもやると言ってくれたから、こうなってるわけなんですけども。
それでも、半強制的すぎなかったかと考えてしまう。
私とは違い、彼女はまだ16歳だし、自分で自分にあった道を探せるはずなのだ。
私のようにシンに仕えている訳でもないのだし。
今の決断がセリシアの未来と言う名の道を奪ってしまっていたらと考えてしまう。
それでも、そばにいてほしいと思う意思もある。
「まだ、仕事に縛り付けないべきだったのでしょうか・・・?」
でも、もうすでに遅いんだろうか・・・。
気づかないうちに、人の生を縛っているのでしょうか?
それだけはダメだ・・・。
シンのもとにいるとそうやって縛られる人が何人といるのを知ることができる。
でも、セリシアは縛ってはいけないいたいけな少女なのだ。
本人もシンのそれに気づいて泣いたことがあるぐらいだ。
自分勝手な考えが頭をたくさんよぎる。
何をどうするのが、一番の選択肢なんだろう・・・。