第4章 国王と話すこと
セリシアSIDE
「さて、あなたを呼んだ理由ですけど。・・・2年ほど前になりますか?あなたの祖国、キユノ王国にウィリランデ王国が攻め入ったのは。」
「・・・はい。」
「・・・いまさら何を言っても、どうしようもないのはわかっていますが。・・・我が国が、取り返しのつかないことをしてしまいました・・・。本当、申し訳ありません。」
深く頭を下げる。
どう対応しようかと少し考えたけど、くよくよしない、方向に決めた。
「頭を上げて、カルマさん。」
謝ったって、もうどうにもならない。
あのキユノ王国はすでにないのだから。
「もういいよ。・・・でも、私も聞きたい。・・・副国王であるあなたは、戦争、したかった人?」
「それはありませんよ。」
即答してくれた。
「じゃあ、なんで兄である国王を止めなかったの?」
「止めましたよ!!・・・でも、立場はやっぱ弱くって。止めれなかった。」
それはきっと本当のことだと思う。
結局は王がその国の権利者になってしまうのだから。