第3章 王子来賓
セリシアSIDE
目が覚めたのは夜明けだった。
なんでこんな時間に起きたんだろ・・・。
とは思うけど、多分昼間に寝たせいだ。
寝付くのも今日は遅かったのに。
「みんな寝たかな・・・。」
もう一度寝る前にお茶を飲もうかと思って、部屋を出る。
辺りは静まってて、灯りは月と星の光だけ。
ジャーファルはまだ起きてるのかな・・・。
明日というべきか今日と言うべきかは悩むけど、まあ時間的には今日、ウィリランデの新国王と会談があるらしい。
ジャーファルも同行するらしいから、明日の政務は頼まれている。
「・・・?」
誰かいる・・・?
知ってる気配じゃないな、これ・・・。
でも先にお茶を飲もっと。
でもホントだれ?
お茶を飲み終わった後、気配のする方に近づく。
案外近い。
足音を立てずに、気配も消して行く。
「・・・。」
ほら、いた。