第25章 出航準備、ラスト
セリシアside
「…ジャーファル。」
もう一度2人にお礼を言って、ジャーファルの元へ行く。
「用事はもう済んだの?」
用事があるからって言われて、ピス姉と一緒に行くように言ったのはこの人。
ちょっと残念な気もしてたけど、見送りには絶対に行くとも言ってたし。
…そして今、ちゃんとここにきてる。
「ええ。すいません、ここまで一緒にこれなくて。」
「ううん、用事なら仕方ないよ。…それに、ピス姉とヤム姉とも話せたし。」
それは嬉しかったんだよ。
友達と話したかった思いもあるから。
「…もうすぐですね。」
「うん、そうだね…。荷物も積み込んだみたいだし、あとは時間になって出発するだけ。」
もともとこの国にはほぼ持ち物無しで来てたから、持ってく荷物は少ない。
こっちで買った机や椅子、棚とかは全部置いていく。
国のお金で揃えた備品だもの。
…お給料として貰ってたお金で買った服なんかは持ってくけど。
とにかく、だから私の荷物の積み込みもすぐに終わってしまう。
長旅のための物資はルマニアがやってくれてるらしいし。
「…あっという間だったなー。」
「…それは、生活?準備?」
「んー、生活っていうか…この2年、かな。」