第25章 出航準備、ラスト
セリシアside
なにか違う注文が入った気がするよ?
「普段ノーメイクでしょ?だからさ、目に少しくらいメイク施してキリッとさせてもいいと思うんだ!」
なんかピス姉イキイキしてるね?
おしゃれ好きだもんねー。
「舞台化粧みたいな感じで。公務の時はメイクした方がいいと思う!」
「メイクなんてしたことないよ。」
「キユノ王国の誰かに教えてもらいなよ!…本当は私が教えてもいいんだけど、もう時間もない…よね?」
…そうだ、忘れかけていた。
時間、あまり無いんだった。
「…わかった。2人の意見、試してみるね。」
「うん!それがいいよ!」
「ふふ、頑張ってね。」
…3人でこうやって話せるのも最後。
楽しかったな、今まで。
「…さあ、#MAME3#。」
「迎えに来たわよ…貴女の大好きな人が。」
…大好きな人。
なんだか少し恥ずかしいけど、そんなの1人しかいない。
「…セリシア。」
優しく、でも切なそうに微笑んでくれる最愛の人。
「…ジャーファル、今行く。」