第25章 出航準備、ラスト
セリシアside
「…嘘だぁ。」
仕事って政務のことでしょ?
文官っぽかったならともかく、それが姫っぽかった?
「本当だよー!ヤムはそう思わなかった?」
「うーん、私は仕事してるセリシアがあんまり記憶に無いから…ちょっとわからないわ。」
確かにヤム姉は研究室にこもってることもあったしね。
魔法を教わりに行っても見学して終わったこともあるし。
「えー。…なんかね、考えながら書いてる時の…凛々しさ?集中してるとこがなんかねー、上に立つ人って感じだった。」
…上に立つ人。
「剣持ってる時とは違う集中した感じで、なんか誇らしいの!」
…誇らしいかー。
あんまりわかんないや。
実感もわかないし。
…でも、私は王女になるから…たとえ実感がわかなくても。
そういうのがそれっぽいなら、ずっとそうすれば王女っぽくもなるの…かな?
「…そうだったの。…でもセリシア。」
「ん?」
「それっぽくなくても王女になることに変わりはないから。…だから、無理して王女、にならなくてもいいと私は思うわ。」
「それ賛成!まあある程度の威厳は欲しいけどねー。」
む、難しい注文だなあ。
無理せず威厳をだすって…私そもそも威厳だしたことないよね?
「姿勢よく、はっきりとした態度で…真剣に対応すれば少しはそれっぽくなるわよ。」
「…わかった、やってみる。」
「…あとは化粧とか?」
…ん?