第24章 決めた答え
セリシアside
「思い合い過ぎて、縛られないといいね。」
「…そうですね。これは義務じゃなくて自分の意志ですから。」
「「でも。」」
そこで言葉がかぶる。
思わず2人見合って、笑ってしまう。
それを機会として、私達はようやく離れた。
でも距離はそんなに変わらない。
近くで、いつもより暗い景色を見る。
「…きっと、これ以上の幸せを願わない気がする…今思ってることだけど。」
「誰に言われたでもなく自分の意志で、…少なくとも今は、現状維持をしたいですね。」
今思ってることしか、今の私達には言えない。
でも、それがわかるからこそ。
今言ってる言葉は本当に思ってる言葉だとわかる。
きっとそれは、ジャーファルもわかってる。
「「ありがとう、想ってくれて。」」
2人、全く同じことを同じタイミングで言う。
それがやっぱりなんだかおかしくて。
「…ねえ、ジャーファル。」
「どうしました?」
「キスしていい?」
聞いたくせに、私は返答も待たずにキスをした。
私からするのは、かなり久しぶりな気もする。
触れるだけ。
…ただまあ、1回で終われなかったけど。
だってその後も、今度はジャーファルからしてくれたから。
触れるだけじゃない、濃厚なソレを。