第24章 決めた答え
セリシアside
ジャーファルは、察しがいい。
良い意味でも、悪い意味でも。
今回は、ありがたいのかなって思う。
だって、話をしやすいから。
「…決めたよ、私。」
「…そうですか。」
「…帰るよ。」
「…そう…ですか。」
あっさりと、でもゆっくりと。
溜めることもなく、さらりと言ってしまう。
そうしないと、今回は耐えられそうになかった。
さすがに、ジャーファルがどう思うか怖かった。
「…寂しく、なりますね…。」
「…そう、かな?」
「当然ですよ。ピスティやヤムライハなんかは、きっと泣くでしょうね。」
「確かに、あの2人は泣きそうだね。」
核心には触れない。
だけど、周りの話はした。
「…私は、私で、きっと泣いちゃうだろうなあ。」
「…セリシアは、確かに泣きそうですね。」
「えへ、やっぱり?」
「はい。…私も、泣きたいですよ。」
「…ほんと?」
「そりゃそうでしょう?…セリシア、あなたがいなくなるなんて…想像がつきませんよ。」
…ジャーファルがいない生活。
怖くて、一回想像しようとして、やめた。
というか、出来なかった。
昔、私とデアルがウィリランデ王国の王を殺した時…あの時はジャーファルを巻き込んだんだけど、失う直前だったあの時。
それを考えるのは、勝手だって知ってるけど、怖かった。