第23章 体調不良
セリシアside
「…多分なんですけど、ちょっと疲れが出てしまったのかと…。キユノ王国より大分暖かくて、身体がまだ慣れきっていないのかもしれません。」
そうだ、そう言われてみれば。
キユノ王国は雪国だしね。
年中温暖なこの国とは差があるんだった。
ここまで旅してきてた私やデアルはともかく、この人たちは直接だし、慣れるのには時間かかるかも。
「配慮が行き届いてなくてすみません…。」
「いえ、姫様が謝るようなことではありませんよ。私のミスですから。」
「うーん、とりあえず、今日はしっかり寝てください。少しでも身体を休ませることが大事ですよ。」
コンコン
そう言うと、ほぼ同時にドアがノックされた。
「どうぞ。」
セーカさんがそう応えると、中に入ってきたのはルマニアだった。
「失礼します。…姫様、こんにちは。」
「こんにちは、ルマニア。」
「…ねえ、ルマニア。ここは貴女の部屋でもあるのだから、失礼しますとは言わなくてもいいのじゃないかしら?」
セーカさんの言葉によって、そういえばと思い至る。
二人の希望によって、セーカさんとルマニアは同室を使っているのだ。
…まあ、カルさんとアイセさんも二人で同室になってるんだけどね、希望されたから。
「何かお取り込み中かと思ったので…。」
「あ、いえ、そんなことはありませんでしたよ。…それでは、私はこれで。」
「ご迷惑をおかけしました。」
「いえいえ。」
そうして、私はルマニアと入れ違うように部屋を出た。