第23章 体調不良
セリシアが部屋を出て、ルマニアは彼女が部屋から離れたのを確認した。
そしているのは傭兵だけになったのを見て、セーカの前に移動する。
「…いつからです?誤魔化さなくていいです。…この国に来る前から、体調は万全じゃなかったのではありませんか?」
ルマニアのその言葉に、セーカは視線を逸らす。
ルマニアはその反応を見て、ついため息をこぼす。
「…私は、あなた方の関係を知っています。今何が起こっているのかも、もちろん。」
その言葉に、セーカは目を見開く。
「私以外の人にはバレていませんよ。…ですが、それを知ってる上で話しますね。」
「…ええ、どうぞ。」
「私は、友達だと言ってくれた貴女が好きだよ。でも、あなた方が今の状況にも関わらず行った行為に関してはとてもじゃないけどありえない。」
セーカは黙って聞く。
「…だから、ホントは安静にしていなきゃいけないだろう今、長い船旅をすることを黙認した。貴女がどうなろうと、私には関係無いから。」
2人にしかわからない話。
セーカにとっては侍女であり文官であり、友人でもあるルマニア。
彼女の言葉は、厳しいけれど心の底では優しいことはとうに知っていた。
「…だから、無茶はしないでよ。私は庇わないし、助けもしない。死にたいなら、今後に関わる障害を残したいなら誰にも知らないとこでやって。」
無論、セーカは死にたいわけでも障害を受けたいわけでも無かった。
ただ、自分でも悩んでいるだけだった。
「これからも、私は知らない振りを通す。だから相談にも乗らない。…でも、答えはちゃんと出せるよ、セーカなら。」