第21章 相談という名の…
ジャーファルside
馬鹿だった。
セリシアのためといいつつ、そんなのは嘘だった。
「…セリシア、この問題がどれだけ重要か、わかっていますよね。」
質問じゃない、確認です。
肯定の返事が返ってくる。
「…私1人のワガママで結論を変えることは、絶対に出来ないのも、わかりますね。」
これに答えるのは、少し時間がかかっていた。
きっと、わかってはいるのだろう。
知ってはいても、あまり認めたくなかったのだろうか。
「…貴女のワガママは通せます。ですが、それを貴女はしますか?」
「しないよ、できるわけないもん。」
そう言うと思った。
けどそれでも。
「…わがままを、言えるなら私はいいたいです。」
本当は言ってはいけない。
それがわかってるから苦しい。
でも止められなかった。
「…本当は、貴女を帰したくありません。引き留めたい。ずっと2人でいたい。」
それが叶うのなら、そんな未来を約束されているのなら。
…どんなに嬉しいのでしょうね?
「…これを言うのは…貴女に悪いと思っていました。言ったところで変えられるわけでもありませんから、それなら言わないべきだと…思ってたんです。」
「…でも、言ったね。」
「不安にさせたような気がしたので。…泣きそうな顔、しないでください。」