第21章 相談という名の…
セリシアside
確かに、不安があったのかもしれない。
泣きそうな顔してたんだ?
それはわからなかった。
…でも。
「むしろ今、泣いちゃうよ…?」
聞きたかった言葉だったから。
私がキユノ王国に帰ってもいいと、本気では思ってないことを知れたから。
…なんか、嬉しくて。
目が熱くなる。
「え、それはどういう…!?」
少し慌てた様子のジャーファル。
違うよ、慌てなくていいやつだよ。
「ありがとう。」
この人が彼氏で良かった。
好きになれて良かった。
この先2人でいられるかどうかは、私が決めなきゃいけない。
この最愛の大切な人を、傷つけるかもしれない。
故郷に住むみんなを苦しめるかもしれない。
だけどそれでも、決めなきゃいけない。
「私が決めなきゃいけないことが、ホントはツライ。誰かに相談したいし、もっと意見も聞きたい。」
荷が重すぎるの、この話は。
「でも、キユノの人にもシンドリアの人にも聞けることじゃない。全く違う、関係の無い人ぐらいの意見が一番公平だから。」
関係のしてしまう人では、本心を隠す可能性がある。
嘘ついて、私の気持ちを引っ張る可能性がある。
「そんな私の考えを思ってくれてありがとう。私のことを考えてくれて…ありがとう。」