第3章 王子来賓
セリシアside
政務服を受け取ってタンスの中にしまった後も、ジャーファルはまだ部屋の中にいた。
「えっと、まだ何か・・・?」
「あ、いえ・・・。できるだけ早めに、体調直してくださいね。」
「うん、もちろん。」
「それと、今からウィリランデ王国の一行の迎えに向かいます。・・・っていうのはホント、正直どうでもよくってですね・・・。」
??
なかなか言葉を言おうとしないジャーファル。
何か言いにくいことがあるってこと?
「本当は、午後は多分ずっと会えないので今のうちにもうちょっと顔を見ておこうかなー・・・なんて・・・。」
後半は語尾を濁したけど。
私は嬉しすぎてつい、ジャーファルの胸に抱きついた。
・・・飛び込んだって表現の方が正しいかもしれないけど。
「セリシア、さん!?」
素で驚いたらしい。
「ジャーファルからそんな言葉聞くとは正直思ってなくって。なんか嬉しい。」
顔を上げずに言う。
「そりゃ、恥ずかしいですから・・・。」
結局二人して、その場で抱き合っちゃって、なかなか離れられなくて。
シンドバッドさんが探しに来るまでやってしまいました・・・。