第19章 姫と刀使いの戦い
武術長けた人の言葉はこういうところは信用できる、というか素直に喜べる。
…アイツの無い、私の素質…か。
「…セリシア様には拒否権があります。賭けにのる必要はありません。…それでも、私はセリシア様に希望を持っていることを…お忘れなきよう、お願いします。」
…希望、か。
だんだん自分のするべきことがわからなくなってくる。
したいこととすべきことが、違うんじゃないか。
そんな考えが浮かんでくる。
…選んでしまう気がする。
悲しいけれど、一緒に幸せを得ることができない路を。
「…俺…。」
急に聞こえた声にはっとする。
カルさんが起きたのか。
「大丈夫ですか?」
結構勢いよくやったからな…。
手加減なんて出来るわけなかったし、こっちも必死だったからな。
「あ…はい、大丈夫です。気、失ってましたよね…。」
「そんなに時間は経ってない。…だが失神するとは、まだまだだな。」
アイセさん厳しいね…?
失神するなって、なかなか難しい気がするんだけど…??
「はい。すいません。」
それ簡単に受け入れるのね…。
しかもちゃんと理解した感じで!!
…うーん…。
失神するの、大体魔力切れだしな…。
武術で失神したことあったっけ??