第19章 姫と刀使いの戦い
セリシアside
「…王の素質がある王が、この世に何人いるでしょうか?」
…急に、世界の話?
話の幅がぐんと広くなったね。
「貴方のお兄様も、この国の王も、素質はあるでしょう。…しかし、素質のない王も、いらっしゃることをご存知あるでしょう?」
…ウィリランデ王国の前国王なんかは、無かったと思う。
あんな王が素質あるなら私にもあると思いたいよ??
「…セリシア様に、素質があるのかどうか。それは、まだ私達にはわかりません。」
…ルマニアと、似たこと言ってる。
「国を任せていいかなんて、賭けです。」
そうだろうな、うん。
「…ですが、私はこの賭けに勝ちますよ。貴女様を信じたいのです。…デアル様の妹だからではなく、あの人が貴女様を信じていたからでもなく。…セリシア様自身を信じたいのです。」
どうしてだろう。
目を逸らさずにそう伝えてくるセーカさんを見ていて、なんか泣きそうになった。
「デアル様に無いものを、持っているでしょう?少なくとも武術の素質は、セリシア様の方があるでしょう?」
「それには、賛同しますよ。…セリシア様の鍛錬しか見たことはありませんが。」
セーカさんの隣にいたアイセさんはそう言った。