第18章 選択の悩み
セリシアside
セーカさんは一体何を考えて戦って欲しいような言い回しで言ったのだろう。
鍛錬になるし、別に構わないけどさ?
「あの、用意出来ました。」
通常衣装って言っても、一応この前買った通常だからまだマシか。
相変わらず軽めの服で、オシャレ要素の薄いこと。
色はブラウンに花柄の刺繍が胸元にされてるのが救いかな?
…今度重い服で鍛錬しようかな。
そうすればもうちょっとオシャレに気を使える…よね?
「それでは、よろしくお願いします。」
カルさんは今までの衣装とあまり変わらない。
会談の時の衣装は正装だったんだろう、重そうだったけど、鍛錬の服装はアレよりは軽そうだった。
…それでも重そうだけどさ。
「ルールはどうしましょうか?」
「一本取り、でしょうか?大体それだと思いますが。」
「それではそうしましょう。…ですがセリシア様。」
セーカさんは私に剣を差し出す。
…あれ、これどこかで見た?
「木刀と言って、木でできています。切れることはありませんから、安全に戦えます。」
そっか、一応私姫なんだっけ。
鍛錬で怪我を負わせられないか。
それにそれを危惧して本気で戦えなくなっても困るかな。
「わかりました。これで戦えば良いということですね?」
「慣れないと思いますがお願いします。」