第18章 選択の悩み
セリシアside
「で…ええと、こんなところでしょうか?」
ああ、そうだった。
なんでデアルに信頼を寄せてるのかを聞いたんだった。
ちょっと横道それかけた…。
「あ、はい!ありがとうございます。」
でもすると、あいつは普通の考えで行動しただけだろ?
…なんだかんだ言えるけど、アイツ信念が正しいからな…。
選択を間違えることのない、アイツ。
私には無い素質。
でもそれが王の素質…だったりするのかな。
大勢の民の命を守るんだから、正しい選択をしなきゃいけないだろうし。
…でもそれなら、私には向かない。
「…セリシア様、今…何をお考えですか?」
「え。」
急にいままで以上に真面目な顔つきになったセーカさん。
なんだというのだろう?
「王は、尊敬できる人です。民の中には完璧な人と崇める人もいます。」
完璧な人、か。
「…確かに王の素質のある、素晴らしい方だとは思います。しかしそれだけで私があの人に信頼を寄せたわけではありません。」
「んと…?」
「…もしも宜しければ。」
その後に話したのは、今までの話とは無関係で、突飛な話だった。
「カルと、戦ってみませんか?」
「「は?」」