第18章 選択の悩み
セリシアside
「あっ、答えたくなければ全然答えなくて構わないので!」
聞いてから思ったけど、もしかしたら聞いちゃいけないのかもしれない。
何がこの人にとっての地雷なのか全然知らないのに、野暮なこときいたよね?
「いえ、大丈夫ですよ。」
セーカさんはいたって落ち着いて答える。
…これは、ホントに大丈夫そう。
「お伝えしておりませんでしたね?…私の母もキユノ王国で働いております。…キユノ王国の政務官が、私の母でございます。」
…はい?
政務官だって!?
「知らなかった…。」
「そうですよね。王が取り立てて下さったのです。大した位も無い私達にもったいないとは思いますが…とても感謝しているのです。」
そ、そっか。
でもまあ、ありえないことはないか。
必要以上に驚いちゃった気がする。
「…お父様は?」
「父は既に亡くなっています。…ですが、ケジメはつけてありますし、気になさらないでくださいね。」
少し悲しそうに笑ってそう言った。
…セーカさんはケジメはつけてあるって言ったけど。
…やっぱ今、少しは思い出したのかな、お父さんとの思い出。
それにきっとこれだよね、会談の時に思ったこと。
セーカさんの失ったのはお父さんなんだね。