第18章 選択の悩み
セリシアside
「姫様」
その場を離れようとしたところ、ルマニアに呼び止められる。
「私は、正直貴方様にキユノ王国の全てを任せてもいいのかわかりません。いくら貴方様の故郷とはいえ、王の妹といえ、私は姫様のことを何も知りません。」
…それはそうだ。
ただ振り返っただけの姿勢をきちんと直す。
これは大切なことだ。
「それは今回来たキユノ王国の一団だけでなく、王国に使える者全員が1度は考えたことです。本当に姫様を信じていいのか、何も知らない私達には正しい判断は出来ません。」
…うん、そうだね。
知らない事を信じるのは難しすぎるよね。
「ですがだからこそ。そんな状態でも姫様を信じようとしていることを忘れないで欲しいのです。…私達はデアル様を慕っております。だからこそ姫様を…セリシア様を信じるのです。」
「…それは、デアルが私を信じているから、という受け止め方でいいのよね?」
「はい。」
…なるほど。
つまり、キユノ王国に来るなら責任を持てってことね。
「…私なんかで大丈夫だと、貴方は思う?」
「…今はまだわかりません。」
「そうだよね。…わかった、伝えてくれてありがとう。」
真剣に考えるつもりではいたけど、つもりじゃ駄目だね。
真面目に、みんなの思いをちゃんと受け止めよう。