第18章 選択の悩み
セリシアside
とはいえ、セーカさんってどこにいるんだろ?
キユノ王国の一団のみなさんが王宮の二部屋に滞在するのは知ってる。
けどそこまでおしかけるきにはならないしな。
それにその部屋にいるとは限らないし。
制限はちょっとあるけど基本出歩きは自由だしね。
「んー…っと?」
大した理由はないけど、なんとなく窓から下を見下ろしたところ。
セーカさんだけでなく、カルさん、アイセさんを見つけた。
…あの場所は広場になってて、私もよくあそこで遊んでる。
剣技場が他の人に使われてたりすると大体あそこで剣を振ってるんだ。
カルさんとアイセさんが戦ってるから、それを見てるんだな、セーカさん。
「…でもルマニアはいないんだ?」
「ここに居ますよ?」
「わっ!?」
急に背後から声がしてバッと後ろをみる。
気がつかなかった…。
「ふふ、驚かせてしまってすみません。」
言葉とは裏腹、すごい楽しそうな顔してるんだけど!?
「セーカでも捜していましたか?」
「あ、はい。でも見つけましたので…。」
「ふふ、鍛錬を見てるのかしら?カル達が鍛錬するって言ってましたからね。」
…ルマニアって、そういえばどんな人なんだろう?
「ルマニアって…」
「どうかしましたか?」
「あ、いえ…。下へ向かいますね。」
なんだろう、聞いちゃいけない雰囲気を出された気がする。
…まあ、誰だって知られたくないことくらいあるだろうし、いっか。