第18章 選択の悩み
セリシアside
何をする気もなくて、とりあえずって感じで部屋に戻った。
ベッドに腰掛け、ただふわふわと考える。
そんなことくらいしかできそうになくて、しっかり考えることができそうには思えなかった。
「キユノ王国…幸福…民…。」
多分、心が動かされそうになってるのはこの辺。
特に幸福。
…多くの人に幸せを感じていて欲しいって思いは確かにあるよ。
そりゃそうでしょ?
不幸せより幸せな方がいいよ。
「ジャーファル…好きな人。」
かと言ってキユノ王国に行くと即決できないのは彼がここにいるから。
大好きだよ、どうしようもないくらい。
誰よりも幸せにしたい人なんだよ。
彼はシンドリアを離れることは絶対と言っていいわけない。
そもそもそれはしない。
ジャーファルの大切なものだよ?
そんなことしたくない。
「あーもー…どうしよ」
全然わかんない。
何がみんなにとって1番いい選択なのかな。
キユノ王国の一団のみなさん、キユノの国民、シンドリア、ジャーファル。
…そして私。
自分はおいておくとして、その他の多くの人。
…っていうか、まって?
そもそも私が帰った程度でキユノの人たちは納得…っていうか、安心なんてするのかな?
だって王の妹とはいえ結局は知らない人だよ?
…聞いてみようか、その辺。